「障害福祉の父」肉声テープ見つかる

「障害福祉の父」肉声テープ見つかる 鳥取出身の糸賀一雄氏 


a0119793_825144.jpg 鳥取市出身で障害者福祉の発展に貢献したことから、「障害福祉の父」と呼ばれた糸賀(いとが)一雄氏(1914~68年)の肉声テープが、倉吉市の障害児入所施設「皆成学園」で見つかり、今月から県立図書館(鳥取市)でテープの貸し出しが行われている。

 障害者への理解が浸透していなかった時代から、障害児への教育などに取り組んできた糸賀氏の強い思いを知ることができる貴重な資料として注目を集めそうだ。 

 糸賀氏は鳥取市立川町に生まれ、京都帝国大を卒業後、滋賀県庁に勤めた。戦後の混乱の中、知的障害児らの教育や医療の提供などの必要性を感じた糸賀氏は1946年、大津市に施設「近江学園」を創設。63年には西日本初の重症心身障害児施設「びわこ学園」を開設するなどし、障害者福祉の充実に尽力してきた。

 肉声テープが見つかった皆成学園は、47年に糸賀氏が県内で講演した際、当時の県知事に知的障害児のための施設を建設するように勧めたのを機に設立されたという。テープは同学園の子どもや職員向けに晩年に講演されたものを録音したもので、昨年、同学園の職員が見つけた。

 糸賀氏の声が録音されたテープなどの資料は数少なく、今回見つかったものは約3時間に及ぶ珍しいものだという。

 「この子らの一隅を照らすことで、この子らが世の光になってくる」。テープでは、糸賀氏が子どもらに語りかけるような優しい口調で話している様子が分かるほか、知的障害の人たちは外から働きかけられてばかりいると指摘。「この人たちが自ら外に対して働きかけていく人にならなければならない。自らも外に働きかけることは、外を変えていくこと」と訴えている。

 ほかにも、リハビリの重要性についてや、放浪の天才画家で知られた山下清氏(1922~71年)のエピソードも紹介。同図書館ではテープの発見を受けて、糸賀氏の著書など約20冊を紹介したミニ展示を24日まで開催している。同図書館の網浜聖子・郷土資料課長は「テープには糸賀氏の温かみのある声が残されており、人柄が伝わってくる。本だけでは分からない糸賀氏の魅力を知ることができる資料。福祉の発展に貢献した人が鳥取から生まれたことを多くの県民に知ってもらいたい」と話している。(進元冴香)

(2013年6月11日 読売新聞)
[PR]

by issai-kokkara | 2013-06-12 08:27 | ニュース記事  

<< 障害者差別解消法成立 今国会で法改正を=「成年後見」... >>